クール天狗の溺愛♡事情

流れ込んでくる嫉妬

 後から仁菜ちゃんに「どうだった? 何か進展あった?」って聞かれたけれど、どう答えるべきか分からなかった。

 色々とドキドキさせられたけれど、その答えを聞く勇気が持てなかったし……。

 でも、変な期待だけは膨れ上がってしまって……困る。


 勘違いしたくない。

 でも、風雅先輩は勘違いしてもいいって言った。

 その勘違いが同じなら、それはつまり……。


 ……ほら、やっぱり変な期待だけは膨れ上がってる。


「うーん、何かあったっぽいけど、今一歩ってところ?」

 明確なことは何も言っていないのに、仁菜ちゃんは予測で結構当たっていることを言う。

「どうしてわかるの!?」

「だって美沙都ちゃん分かりやすい表情してるから」

 なんて言う仁菜ちゃんに、わたしは言葉を詰まらせる。


 そこまで分かりやすい顔してたかな?

 というか、表情だけでそこまで分かるって……仁菜ちゃんの方がサトリの素質があるんじゃないかな?

 なんて思ってしまった。


「まあ、滝柳先輩のことも気になるけど……山里先輩と日宮先輩のことも問題だよね?」

「うっ……」

 自然と話題を変えられて、今度は別の意味で言葉に詰まる。
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