幼なじみはエリート潜水士

 このダブルベッドでサトちゃんが寝てた?

 まさか、ここで専務と……


 このクルーザーに詳しくて、先週も専務と一緒に乗船してた。

 合コンを欠席した人が専務だって知ってるみたいだったし、それを臭わせる発言も居酒屋でしてた。

 スーさんも、サトちゃんと専務の仲は知ってるような口ぶりだったし……


「でも、私には関係ないよ……」


 専務は奥さんと別居中だし、二人の仲なんて知りたくもない。

 誰からも見られない海上で、容易に想像はつくけど……


「私はそういうの……あまり好きじゃないかも……」


 早い速度で進むクルーザーの中で、船酔いに苦しむ私の耳に金切り声が響いてきた。


「きゃーっ! あぶない、よけてーっ!!」


「ぶつかるよ! はやくーっ!!」


 サトちゃんとスーさんの叫び声?

 そう思った次の瞬間、体がベッドから吹き飛ばされて耳を突くような衝撃音が……



 私の視界が真っ暗になって、意識を失ってしまった……






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