恋に落ちたら
「辛くないか?」

「大丈夫。悟くんとこうしてひとつになれて幸せだよ」

私がそう言うと、悟くんは困ったような声を上げた。

「あぁーっ! どうしてそんな可愛いこと言うんだよ。みのりが可愛すぎて止まらなくなっちゃうよ」

「悟くんは物足りなかった?」

「違うよ! 全然違う。幸せが溢れ出そうだ。けどみのりにそんなこと言われたらベッドから出してあげられなくなりそうだ」

「え?」

「そういうこと。だからあんまり可愛いこと言うなよ。相当拗らせてるんだから、まだまだみのり不足なんだよ」

「あ……、お手柔らかにお願いします」

私の小さな声を聞き、悟くんは苦笑いを浮かべた。

「やっと俺に落ちてきたんだ。呆れるほどに愛してやるから覚悟しておけよ」

誰かにそんな言葉を言われるなんて今まで考えても見なかった。私は顔が火照るのを感じた。
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