吸血鬼との世界
ショッピングモールから帰ってきた夜。
零夜のスマホに着信が入った。

「母さんからだ」

「急用かもしれない!出て?」

「あぁ、ごめん」

零夜はスマホをタップして出た。

「もしもし」

『もしもし、零夜、あのね、大変なの!!あなたがすごく嫌ってるおじさんの娘さんのみみかちゃんが帰ってくるんですって!日本に』

「・・・・・・・・・・え?」

『嘘だと信じたいと思うけど、本当よ。もう零夜に対がいることも伝えたのだけれど「だったら奪えばいいじゃない」と俄然やる気になってしまって・・お母さんたちももうお手上げで』

「滞在期間は?」

『え?』

「あいつは、何日居やがるんだ?」

『ええと、おじさんの仕事の都合で来るって言ってたから、二週間よ』

「だったら、その二週間で徹底的に潰してやるよ。二度とこちらに来れなくなるように。俺と美鈴の邪魔をする奴は誰であろうと許さない」

『わかったわ、こちらもできる限りの協力はするわね』

「あぁ、頼む、じゃ」

零夜は電話が終わったようだ。

「零夜??お義母さん、なんだって?」

「・・・・・まためんどくさいやつが帰ってきたらしい。二週間の滞在だが・・あいつは俺に対がいると言っても奪えばいいというやつだ。来週からの二週間、俺から絶対離れるなよ、学園内でも一人になるなよ」

「わかった」

来週からの二週間、何が起こるのか、美鈴には想像ができなかった。
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