吸血鬼との世界
授業が終わって、すぐ先生のところに行った。

コンコン

「犬飼と月下です」

「どうぞ」

「「失礼します」」

「話って何ですか??」

零夜が切り出す。


「月下さん、ヴァンパイアになったそうですね?」

「あ、はい、私の意志でなりました」

「そうですか。もうなっちまったのか」

「え???」

先生の口調がいきなり変わった。

「おっと失礼、こっちがほんとの俺。本名、竹下冷斗といえばお前はわかるよな?零夜」

「何でてめぇがいやがんだよ糞冷斗」

「お前が対を見つけたというから見に来たのさ。ちょっとこの体を借りてね。俺自身で行くとお前が会わせてくれねぇだろ?」

「たりめーだ。お前に会わすくらいなら会わせねぇわ」

「だからだよ。へぇ、あなたがこいつの対の、申し遅れました、俺は竹下冷斗。こいつの従兄弟です」

「は、はじめまして、零夜の対の月下美鈴です」

「へぇ、あなた、もしかして由紀のお姉さん?」

「え?はい、由紀は私の妹ですけど‥」

「そうでしたか、由紀は俺の大事な対です」

「お前にも対がとうとうできたのか」

「あぁ、大事な存在がな」

「由紀が言ってた「対ができたの!」って・・・」

「あぁ、俺ですね」

「あなた、何歳??」

「人間では高校1年生ですね」

「由紀の一つ上」

「はい、由紀とは塾で出会ったんですよ。ちなみに俺もここの生徒ですよ?4月にここに入学しました。クラスは1-4です」

「由紀もここの受験勉強二年の時から頑張ってたのは・・・」

「はい、俺と同じ学校に行くためですね」

「確かに対は離れられねぇからな」

「そうなの?」

「あぁ、対になるとそれぞれにあるマークのせいで離れられねぇんだ」

「離れるとお互いにマークに弱い電流が流れるんです」

「厄介だね」

「だから学園側も対同士は強制的に同室同じクラスでくっつけてるんだ」

「あれ?でも優花ちゃんのとこは確かクラス違うよね」

「あぁ、あそこは今人間側がこちらのクラスに来るよう手続きしてる最中だそうだ」

「そっか、良かった」

対が離れるのは辛いからね。

「そいえば、冷斗くんも新入生なんだよね??毎日来てる??まだ会ったことなかったんだけど」

「こいつは特待生だ」

「特待生??」

「はい、由紀が入学するまで私は学年、クラスは決まってはいますが、対が来るまでは自分の寮の部屋で特待生用のプログラムを受けています。由紀が入学でき次第、由紀と同じクラスで俺も入ります」


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