透き通った君に僕の初恋を捧げる

 写真の中には桔梗の姿がばっちり写っていた。椅子に座りカメラに向かってはにかみながらポーズを決めている。
 これは間違い無く写真は心霊写真である。だがしかし桔梗の姿がそれはそれははっきり写りすぎていて第三者から見てしまえばただの女子生徒が写った写真にしか見えないだろう。

「これが桔梗ちゃん?」
「そうだ。」

 シエナが写真を手に取ると樟葉と一緒に写真を覗いた。見比べるべく桔梗の方を向いたが、二人には当然桔梗の姿は見る事が出来ない。
 だがそれでも、そこに何かがいるというのはちゃんと理解したようだ。

「はじめ、大丈夫か?」
「うん……、なんか思ってた心霊写真じゃ無くて。うん、桔梗ちゃんは悪く無いんだけど。」

 がっくりと肩を落とすはじめを慰める。再び机に置かれている写真を覗いた桔梗が俺の制服を引っ張った。

「あの。私、その写真貰ってもいいですか?」
「はじめ、この写真欲しいって言ってるんだけど。」
「それはいいけど、どうやって?」

 桔梗が写真に手をあてると先ほどの椅子と同じように写真から何かを引き出すような動作をすると、半透明な写真が出てきた。桔梗はそれを嬉しそうに抱きしめると大事にカバンにしまった。
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