わがままな純愛 ケイレブとユリア
ケイレブがうなずくと、
「ケイレブさん、簡単な物しかないのですが・・
もし、時間があれば」

校長先生は、
ポケットから時計を取り出した。

「その・・申し訳ありません。
私はこれから会合があって。

明日、また来ていただけないでしょうか。
謝礼を、お渡ししたいし・・」

食堂の別の扉が開いて、
使用人らしき女性が、声をかけた。

「校長先生、迎えの馬車が、
来ていますが」
「ああ、すぐに行きます」

校長先生は、使用人の女性に
手を上げて合図をすると、
ケイレブを見て、すまなそうに
眼を伏せて、眉をひそめた。

ああ、
柳眉をひそめても、なんと優雅なことか・・
ケイレブは見とれていた。

「俺は問題ないですよ。
明日伺います」

ケイレブは明日、またこの天使に会える事で、十分満足していた。

「スープは熱いよ。
パンは、好きなだけ食べられるよ」
マーガレットおばちゃんは、
不愛想だが、大盛のスープと、
温めたパンを運んでくれた。

「それでは、明日・・」
そう言いかけて、
校長先生は、食堂から走り去った。
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