わがままな純愛 ケイレブとユリア
「わかってるよ」
ケイレブは上の空で答えながら、
その視線は、
天使がどこにいるか探していた。

校長先生は、花のアーチで
飾られた入り口で、
来場客一人一人に、挨拶をしていた。
黒のスーツ、襟に小さな赤い薔薇をつけている。

黒は黄金の髪を輝かせ、
地味な姿であるほど、その美しさが際立つ。

ケイレブは守護怪獣に、邪魔されないように、
柱の陰から、校長先生を見つめていた。

「ケイレブ、最後のダンスの相手のリクエスト用紙を入れてくれ」

係の若い男の子が、声をかけてきた。

「ん・・これを」
ケイレブは4つ折りにした紙を、
男の子の持っている箱に入れた。

校長先生は、いろいろな指示を
出すのに忙しく、
あちこち会場を歩き回っている。

何曲かダンスが行われ、
酒も入り、会場は盛り上がって
いた。

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