クールな自称保護者様も燃える恋情は消せないようです
実はお兄ちゃんからは「検査では問題なかったとしても、念のために安静にしていろ」と言われていた。
大学に行くことも渋っていたくらいだ。
だから飲み会に行くなんて知ったらもってのほかだとお兄ちゃんは激怒しただろう。
けど、昨晩のことでお兄ちゃんの言うことをきくのには抵抗があった。
私だってもう大学生だ。門限を強いられるような子ども扱いなんてされたくない。

「部屋を直すのにけっこうかかるんでしょ? ホテルかどこかに住んでるの?」
「うん、知り合いが偶然近くにいて、そこに仮住まいさせてもらっているんだ」
「服とか家具はどうするの? 服は買い替えなきゃならないの? 私の服貸そうか?」

「生還祝」と称した今日の飲み会も、毎週飲みに行っているからその延長って感じだけれど、それでもこうしていろいろ心配してくれたり、お見舞金を用意してくれたのもありがたい。
嬉しさの勢いでボヤの原因も話してしまうと、みんなで喧嘩別れとなった元彼のことをこっぴどくこき下ろしてくれた。持つべきものは友達というものだ。

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