交際0日、冷徹御曹司に娶られて溺愛懐妊しました

「一緒に入るか? 夫婦らしくなるには手っ取り早い」
「無理です。ダメです。大丈夫です」


大急ぎで言葉を続けて全否定した。彼とはキスしかしていないのに、一緒にお風呂なんてとんでもない。

吉鷹はニヤッという笑みを浮かべた。たぶん茉莉花をからかったのだ。


「ちなみにここにベッドはありませんが、私は――」
「もちろん俺と一緒。寝室を分けるつもりはない」
「ですよね……」


きっぱり宣言されて狼狽える。夫婦だから当然とわかっていても、心がついていけない。


「心配するな。無理に茉莉花の全部を奪うつもりはない。約束した通り、ひとつずつ段階を経ていこうと思ってる」


茉莉花を気遣った言葉に安堵する。


「まぁ、茉莉花がどうしても俺と〝したい〟なら話は別だが」
「し、したいなんてまさか!」
「そう? それは残念」
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