交際0日、冷徹御曹司に娶られて溺愛懐妊しました

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神楽総合病院をあとにした吉鷹は、観月建設まで車を飛ばしていた。

ハノイ滞在中、どうしても話がしたいと言っている女性がいると本社から連絡が入ったとき、吉鷹が最初に思い浮かべたのは結愛だった。

茉莉花と結婚したと知った彼女が、今度はどんな言いがかりをつけてくるのか。
ところが名前を聞き、それが茉莉花の友人だと知る。

嫌な予感とともに伝えられたナンバーに電話をかけ、結愛が再び茉莉花の前に現れたと聞かされた。

それも新都銀行の名を使い、観月建設や茉莉花の父親の設計事務所、ひいてはマリアンジュまでも陥れようと企んでいるというではないか。
そのうえ、彼女の登場により体調を崩した茉莉花は入院を余儀なくされたと。

たとえようのない怒りが体中を駆け巡り、取り乱して帰国しようとした吉鷹を引き留めたのは永長だった。

新社長就任を前に仕事を放り出すのは得策ではない、それでは荒牧結愛の思う壺だと進言され、荒れ狂う憤慨を必死に封じ込めた。苦渋の決断が本意でなかったのは言うまでもない。

美春に『茉莉花をくれぐれもお願いします』と頼み、なにかあったらすぐに連絡がほしいと託した。
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