交際0日、冷徹御曹司に娶られて溺愛懐妊しました

ふたりはその場にしゃがみ込み、今度は砂で遊びはじめた。


「茉莉花もおいでー!」


吉鷹に手招きをされ、レジャーシートから立ち上がる。さらさらの砂を踏みしめながらふたりの元へいくと、悠生は「ママー」と砂まみれの手を茉莉花に見せた。


「すごい手ね」
「おすな」


湿り気のある砂で黒くなった手を興味深そうに眺める。


「茉莉花、悠生には建築のセンスがあるぞ」
「えー?」


くすくす笑いながらその場にしゃがみ込む。


「ほら、よく見て」


目の前には小ぶりの砂山ができていた。吉鷹に言われて見ると、ところどころがとんがり屋根のようになっており、窓なのかくりぬいた穴もある。
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