クールな准教授は密かに彼女を溺愛する
紗奈の可愛い寝顔を見ながら考える。

抱きしめていたら泣き疲れて寝てしまった。
そのままだと寝にくいだろうとソファに寝かせ、離れ難いと膝枕をしてみる。

無防備な寝顔が愛しくて、そっと顔にかかる髪を避けてやる。

とりあえず、バイトは辞めると連絡を入れよう。紗奈の荷物は手配してこっちに送るようにして、
あー、明日の朝ご飯も必要だな。

前島に連絡しようと電話をする。

「俺だけど、遅くに申し訳ない。
さっきいた店の電話番号と引越しの手配を頼みたい。」

『良かったです。上手くいったみたいですね。』

「上手く行ったかどうかは分からないけど、とりあえず留まってくれてるから、出来るだけ迅速に動きたい。」

『かしこまりました。お任せ下さい。店には私から連絡入れましょうか?』

「いや、彼女がお世話になった所だから敬意を持って、俺から連絡いれるよ。」

『分かりました。後、朝食も2人分手配しておきます。』

「ありがとう。」
さすがだな、と要は思う。
前島と言う男、昔から一を言えば十を理解する。俺が思う事をすぐ形に変えてくれる。

『また、要様のお役に立てる日が来て嬉しいです。』

「ははっ。兄の事も疎かにしないでよ。」

『もちろんです。しかし、どちらかを選ばなければいけないならば、迷いなくあなたを選びます。』

「分かった、よろしく頼む。」

紗奈が膝で身じろぐ気配がして目を向ける。
ボーっとした顔をしてこっちを見上げる。

目が赤いな、冷やさないと。

明日は学校だ。
俺は夕方まで有給を取っているが、紗奈は朝からだ。

ちゃんと寝かさないと、疲れが溜まってしまう。
そんな事を考えながら彼女の額にキスをした。
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