クールな准教授は密かに彼女を溺愛する

「要さんのせいでは無いです。私が隙だらけだからいけなかっただけで…。」
慌てて首を横に振って答える。

「絶対見つけ出して、罪を償ってもらう。紗奈を怖がらせた罪は重い。
紗奈に悪い所なんて1つも無いんだから気に病んだらダメだ。」

そう言って、要は丁寧に湿布を貼り包帯を巻き直す。

「さあ。早く家に帰ってご飯にしよう。
帰りに食べに寄ってもいいし、どうする?」

「今夜はハンバーグにしようと思って材料買ってあるんです。」

「そうか、楽しみだ。俺も手伝うよ。」
笑顔になって要が言う。

要の膝からそっと降りて紗奈は言う。

「放送で呼び出しがあったので、何事かってみんな気にしています。
目立たないようにしないと大変な事になりそうです…。」

要は少し考えてから、
「裏に車回すから、ちょっとここで待ってて。着いたら連絡するから。」
そう言って要は新しいシャツに着替え、戸惑う紗奈を安心させる様に頭をポンポンしてから慌ただしく出て行った。

研究室の鍵を預かり連絡が来るまでソワソワ1人で待つ事になった。

< 148 / 182 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop