クールな准教授は密かに彼女を溺愛する
勤務を終え、一旦紗奈を家に送り届けてから田中が働いている浅田法律事務所に向かう。
事務所は大学近くの駅ビルに入っている。

田中に対してはたとえ偶然で無くとも紗奈を助けてくれ、大事に至らなかった事に感謝している。
紗奈が用意した箱菓子を片手に事務所の入り口に入る。

受付に声をかける。
「今晩は。北原と申しますが、19時に予約を取っております。田中弁護士はいらっしゃいますか?」

数分待つと奥からハイヒールの音を鳴らして背の高い女性こちらにやって来る。
「お待ち申し上げておりました。田中のパラリーガルをしています竹内と申します。
どうぞ、お部屋に案内させて頂きます。」

「ありがとうございます。」
彼女について廊下を進む。奥から2番目の部屋で立ち止まり竹内がノックをする。

「はい。」
と中から爽やかな声がする。

中からドアが開き田中が顔を出す。
「わざわざ足を運んで頂きありがとうございます。
竹内さんすいませんが、コーヒーをお願いします。」

「かしこまりました。」頭を下げて竹内は去って行く。

「どうぞ、そちらのソファにかけて下さい。」

「こちら、紗奈から助けて頂いたお礼をと預かって来ました。」
早速、箱菓子を渡す。

「わざわざありがとうございます。
あっ!
有名な洋菓子屋じゃないですか。僕、甘いものに目が無いんです。嬉しいな。」

要は思っていた以上に喜ぶ田中に少し圧倒される。

「…それは良かったです。喜んでもらえて。彼女にも伝えておきます。」
ソファに腰掛けて優雅に笑う要を見て、男の田中から見てもカッコイイなと不覚にも思ってしまった。
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