クールな准教授は密かに彼女を溺愛する
紗奈が空いてる席を探してうろうろしていると、不意に後ろから声をかけられる。

「おはよう。
君って初日にいた?
初めてみる顔だね。」
見た目チャラい感じの茶髪男子が声をかけてきた。

「おはようございます。
えっと、初日はちょっと間に合わなくて、中山紗奈です。
よろしくお願いします。」
ドギマギしながらなんとか答える。

「紗奈ちゃん可愛い名前だね。

俺は松島純也です。よろしくね。
短大からの編入生だよね?一緒に座る人いなかったら隣どうぞ。」
ニコッと笑う。笑顔が眩しい。

「ありがとうございます。」
小さくペコリとお礼を言って、階段側の隅の椅子に座る。

女の子の知り合いが欲しかったけど、ぼっちよりはマシだと自分に言い聞かせる。

「なんだよ。純也もう女の子引っ掛けてるの?」
松島君の隣からひょっこり覗く男子がもう1人。こちらも同類みたいなチャラさがある。

「えっ⁉︎ちょー可愛いじゃん。
俺、牧野周平よろしくね。」

「よろしく、お願いします。」
東京の人は口が上手いから気をつけなくちゃ。
可愛いなんて中学、高校ずっと女子校で過ごした紗奈には言われ慣れていない。

短大だって課題提出に追われ恋愛する暇も無く、友達だって女子しかいないから、男子のノリについていける訳がない。

でも、ナイトワークするなら慣れなくちゃと思い、思い切って隣に座ってみたけどモノの5分で失敗したと思った。

「ねぇねぇ。紗奈ちゃん、LINEアドレス交換しようよ。」

「お前、抜け駆け無しだぜ。」

「はぁー?俺が声かけたんだけど。」

「あのー。私、あっちの席に行きますね
仲良し2人の邪魔になるといけないので。」
紗奈はさりげなく席を移動しようとする。

「いやいやいや。
紗奈ちゃんコイツとは仲良しじゃないから。」
立ちあがろうとする紗奈の腕を慌てて純也が掴む。

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