クールな准教授は密かに彼女を溺愛する
俺って言った⁉︎
いつもと違う砕けた口調に紗奈は戸惑う。

「あの…。お借りしたお金は明日返します…。」

「返されると、俺がへこむから返さないで。」

「で、でもこんなにかからなかったですし、せめてお釣りだけでも受け取って下さい。」
慌てて紗奈が言う。

「じゃあ。
それで美味しい物でも買って食べなよ。」

「そんな…無理です。申し訳なくて…。」

少しの沈黙の後、

「気にしないでって言っても君は気にするんだろうね。

そうだな、
君が心配で手がつけられなかった仕事でも手伝ってもらおうかな?」

「はい。
何でもお手伝いします。」

「ははっ。良かった。

夕飯まだでしょ?早く食べてちゃんと寝て。

…それじゃあ。また明日、おやすみ」

「はい。…おやすみなさい。」

慣れない先生のプライベートな雰囲気に終始ドキドキしたけれど、電話を切るのを寂しく感じる。

「…今夜は月が綺麗だよ。
…じゃあ、切るよ。」

ツーツーツー
潔く電話を切られても、紗奈はしばらく余韻が残って携帯を片手にボーっとしてしまう。
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