Clover
出会いの章
抹茶のクッキーをかじったときのような、あの控えめで優しい香りは、陽菜(ひな)にとっては、蒸しかえる5月のにおいと結びついていた。
というのも、陽菜が通っているこの高校は街からはずれたところにあり、畑に囲まれたのどかな学校で、この時期から夏にかけて、教室にいても窓から草と土の香りがするほどの場所にあった。
そんな立地に反して、有名な音楽科の高校で、全国でも1、2を争うトップレベルの音楽エリート校と言われていた。
というのも、陽菜が通っているこの高校は街からはずれたところにあり、畑に囲まれたのどかな学校で、この時期から夏にかけて、教室にいても窓から草と土の香りがするほどの場所にあった。
そんな立地に反して、有名な音楽科の高校で、全国でも1、2を争うトップレベルの音楽エリート校と言われていた。