Clover
しかし陽菜は東京経由で明日の便に乗り、ドイツに向かうことになっていた。ある人と、ある人に会うために。

コツコツとハイヒールの鳴る音がする。

「美玲先輩」陽菜は久しぶりの名前を口にした。

「陽菜ー!!!」その大人の女性は、色っぽい見かけや香りに反した動きで、陽菜に抱きつこうとする。

「せ、先輩、ソーシャルディスタンス……」
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