クールな御曹司の溺愛ペット【続編完結しました】
私は一成さんが好き。
一度フラれているけれど、やっぱり好き。
ただの憧れだなんてごまかしていたけど、そんなの嘘っぱちだ。
いつまでも諦めきれないから、新しい恋だってできない。
恋の仕方を忘れたんじゃなくて、ずっと一成さんに恋をし続けている。
そのことを夏菜との会話で認識させられてしまったような気がした。
一成さんの秘書をやらないかと言われた時だって、内心「嬉しい」って気持ちがあったから。
一成さんに近づけるチャンスだと私の中の悪魔が囁いたから。
ああ、本当に浅ましい。
浅ましいといえば、お姉ちゃん、千咲も浅ましい女でした。
――なんて懺悔してみたり。
そんな私のぐるぐるとした気持ちを察してか、夏菜は一人クスクスと笑う。
「ねえ千咲、ペットって意味知ってる?」
「意味?」
「そう、意味よ、意味」
「うーん、……飼育される動物ってこと?」
至極真面目に答えたけれど、電話越しの夏菜は更に高らかに笑った。
「もう、違うわよ。ペットって愛玩動物でしょ」
「愛玩動物?」
「つまり、お兄にとって千咲はお気に入りで可愛い子ってこと」
お気に入り?
可愛い?
誰が?
……私が?
「ひっ、ひゃぁぁぁぁっ」
頭の中で合致した瞬間、変な悲鳴が出てしまった。
夏菜がおかしそうに笑っている声が耳に響く。
笑い事ではない。
笑い事ではないのだよ。
だって、本当にそうだとしたら、私は落ち込む必要なんてないし、ましてや泣くなんてバカみたいだし。
むしろ羞恥心がわき上がってもう昇天してしまいそうだった。
「もしもーし、おーい、千咲ー?」
呼び掛ける夏菜の声をしばらく無視してしまうほど、私の心はふわふわとさ迷っていた。
一度フラれているけれど、やっぱり好き。
ただの憧れだなんてごまかしていたけど、そんなの嘘っぱちだ。
いつまでも諦めきれないから、新しい恋だってできない。
恋の仕方を忘れたんじゃなくて、ずっと一成さんに恋をし続けている。
そのことを夏菜との会話で認識させられてしまったような気がした。
一成さんの秘書をやらないかと言われた時だって、内心「嬉しい」って気持ちがあったから。
一成さんに近づけるチャンスだと私の中の悪魔が囁いたから。
ああ、本当に浅ましい。
浅ましいといえば、お姉ちゃん、千咲も浅ましい女でした。
――なんて懺悔してみたり。
そんな私のぐるぐるとした気持ちを察してか、夏菜は一人クスクスと笑う。
「ねえ千咲、ペットって意味知ってる?」
「意味?」
「そう、意味よ、意味」
「うーん、……飼育される動物ってこと?」
至極真面目に答えたけれど、電話越しの夏菜は更に高らかに笑った。
「もう、違うわよ。ペットって愛玩動物でしょ」
「愛玩動物?」
「つまり、お兄にとって千咲はお気に入りで可愛い子ってこと」
お気に入り?
可愛い?
誰が?
……私が?
「ひっ、ひゃぁぁぁぁっ」
頭の中で合致した瞬間、変な悲鳴が出てしまった。
夏菜がおかしそうに笑っている声が耳に響く。
笑い事ではない。
笑い事ではないのだよ。
だって、本当にそうだとしたら、私は落ち込む必要なんてないし、ましてや泣くなんてバカみたいだし。
むしろ羞恥心がわき上がってもう昇天してしまいそうだった。
「もしもーし、おーい、千咲ー?」
呼び掛ける夏菜の声をしばらく無視してしまうほど、私の心はふわふわとさ迷っていた。