【完結】私の夫は、絶賛不倫中


 だって……そうなるよね? 私にはそう聞こえる。
 むしろそう言ってるようにしか聞こえない。

「そんなの……許されないよ」

 翼は私に隠れて、親友の繭子と浮気をしている。それは多分、間違いないと思う。
 あの姿を見たら、そう思うしかないもの。

 そして繭子も、私にそれを隠している。翼と不倫しておきながら、私に内緒にしている。
 そして二人して私を、裏切っているーーー。

 繭子が言うには、翼との不倫は一年以上前から始まっている。 いうことは、翼と繭子は一年以上不倫関係にあるってことになる。
 なんだ。私は一年も、二人に騙されていたんだ……。ショックが大きすぎて、頭の中が何もついていかない。

「絶対に許せないよ……」

 どうして……どうして不倫なんてするの? 教えてよ、翼……。
 あなたは私と繭子、どっちが大切なの……? 
 そう聞けたら、どれだけ楽なんだろう……。

 
 気が付いたら私は、家にいた。どうやって帰ったのかもあまりよく覚えていない。
 覚えているのは、あの二人が不倫関係にあると気付いてしまったことだけ。
 それ以外何も、覚えてない。ただ頭が、真っ白になった。
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