【完結】私の夫は、絶賛不倫中


「……アンタみたいな女に同情なんてされたくない。私のことバカにしないで」

「繭子……」 

 全ては私のせい、だったんだ……。私が繭子から翼を奪ってしまったことが全ての原因だったんだ。
 私は自分さえも不幸にしていたんだ……。自分が幸せだと思っていたのは、ただの勘違いだったんだね。

 翼と結婚したこと自体、間違っていた……。私は翼とは結婚してはイケなかった。
 これが現実か……。これが不幸になるってことなんだ。

「繭子……私の方こそごめんね。繭子のこと、傷付けてごめん」  
 
 私も繭子のことを傷付けていた。その事実に変わりはない。

「……私たち、もう終わりだね」 

 私たちはもう友達でもなんでもない。だから親友でもない。

 そして繭子は、私に対して涙目になりながら「アンタとはもう友達でもなんでもない。これでお互いにスッキリするね。……じゃあ、さようなら」と言って、そのまま私の前からいなくなったーーー。





「翼……今でもありがとう」

「ああ、こちらこそ」

「……元気でね。身体に気を付けてね」

「……柚衣もな」

 そしてその翌日、私たちは離婚届を役所に提出し、正式に離婚した。
 そして私たちは、また新たな人生を歩んでいくーーー。


『END』
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