黒い龍は小さな華を溺愛する。

「でもさぁ……夕晴の気持ちもかなーりわかるから心が痛いよ」


「そう?最近過保護……すぎるかなって……。そこまで心配しなくても大丈夫なのに」


「いや、でも沙羅ちゃんレベルなら心配するって!誰にも見せたくないって気持ちもわかる!」


「ほんと大げさだよ……」


「あー、この状況バレたら、夕晴に八つ裂きの刑にされそーだわ」


心配してくれるのは嬉しいけど、ただ守ってもらうだけじゃ嫌なんだよ。

それに……常盤くんのことをもっと知りたくて。


「集会って……どんな感じなの?」


「んー……沙羅ちゃんには刺激が強いかもなぁ。いろーんな人がいるから」


「常盤くんが危ないって言ってたけど……」


「うん、危ないねー、特に今日は〝神楽〟と〝一角獣〟の奴らもくるから何しでかすか……」


「しでかす!?って、どんなこと!?」


「どっちもアタマはいいやつらなんだけどねー?どこのチームにもいるのよ、彼氏彼女がいても平気で奪っちゃうよーなヤカラが。睡眠薬とか飲ませて……とかあったなぁ。あとふつーに喧嘩も始まるし?」


そんな怖い事を話しながら、器用に私のまつ毛やら瞼に次々と手際よくメイクしていく。

目を瞑っているからどんな感じになるかわからないけど、紫藤くんは本当に美容系が向いてるなって思う。


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