黒い龍は小さな華を溺愛する。
外に出た瞬間、冷たい空気が肺いっぱいに入る。
そこでやっと、息ができた。
安堵と同時に、胸の奥がじんわり熱くなる。
あの日、常盤くんが残してくれた沢山のキスマーク。
そこにはいないけど、私を守ってくれてたんだ。
常盤くん……
全部じゃなくても、気付いてたのかな。
私が何かに脅えていた事を。
私は胸元を押さえて、唇を噛んだ。
別れたはずなのに。
それでも私は、今日もこの人に守られていた。
涙がまた、静かに溢れた。