俺様外科医は初恋妻に一途な愛を貫く~ドSな旦那様の甘やかし政略結婚~
「そんなことっ」

その通りでも反論せずにはいられなかった。

「兄さんにすがってみる? 『ずっと好きだった、離島には行かないで、病院を継いで私と結婚してください』ってな」

意地悪な言い方に、きゅっと唇を噛み締める。

「……私の本当の気持ちは、もう光一さんに告げるつもりはありません。彼を困らせたくないから……。なんのしがらみもなく、突き進んでほしいから……」

光一さんと結婚したかった。

でも今はなによりも、家を継がずに無医島に渡ると決めた彼を尊敬するし応援したい。

「なら、千里は俺の妻になるしかない」

隆成さんは容赦なく現実を突きつけた。

光一さんに心配をかけたくないなら、選択肢はそれしかないのだろう。

家同士のつながり、親同士の長年の約束もあり、私の意思だけで婚約破棄できないのも十分に理解している。

それでもこの先一生隆成さんと添い遂げなければいけないなんて、逃げ出したくてたまらなかった。

『ひとつアドバイスをするとしたら、流れに身を任せることね。絶対に抗ってはだめよ』

ふと占い師のその声がした。

< 14 / 127 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop