エリートパイロットには敵いません!?
そう言って兄は帰って行った。

残された想良と日浦さんの間にはなんとも気まずい雰囲気が流れる。

「ごめん。勝手にキスとかしちゃって。嫌だったよね」

先に沈黙を破ったのは日浦さんだった。

「私こそすみませんっ。なんとかお兄ちゃんを説得しようとしたためとはいえ、こんな私に“好き”とか言われて。気分を害してしまったらほんと申し訳ないです」

全然。役得だったから。とか日浦さんがボソボソ言っているが気分を害したわけではなさそうなのでとりあえず良かった。

「楓さんにも一応認めてもらえたみたいだから、想良ちゃん。改めてよろしく」

「はい。よろしくお願いします。お世話になります」
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