総長様は可愛い姫を死ぬほど甘く溺愛したい。
半笑いのそっくりさんが、楽しそうにしている俺に問いかける。
『名字は、坂口ですか……?』
『ああ!俺、坂口裕希って言うんだ。お前は、…』
『俺は坂口裕翔です。奇遇ですね』
俺たち三人の出会いは、笑ってしまうほどに偶然で、運命的だった。そしてその頃から、裕希が道に迷ってしまっていた桜十葉を助けたときから。桜十葉は坂口裕希、俺の兄貴のことが、好きで好きでしょうがなかったのだろう。
俺は、君の幸せをずっと願っていたはずだったんだ……。それなのに、今はこんなにも、桜十葉に恋をしてしまっている。