総長様は可愛い姫を死ぬほど甘く溺愛したい。


真陽くんは可愛いって言葉が癖なのかな?

何だか恥ずかしいよ。そんな風にワイワイと3人でお話をして、先生が教室に入ってきたところで私達の会話は幕を閉じた。


***


放課後。


【桜十葉お嬢様。坂口裕翔様がお迎えに参られるそうなので、私はお屋敷で帰りをお待ちしていますね。】


あれから一条は裕翔さんのことをとても気に入ったみたいで、私のことを守ってくれた彼をとても信用している。


「おとちゃん。なんでそんなにニヤニヤしてるの?」


はっ!私ってばニヤニヤしてたのか!


「う、ううん!一条からのメッセージ読んでただけ!」

「ふーん?それよりさ!俺と帰ろうよ?」

「え、と…。今日はお迎えに来てもらってる人がいて…」

「じゃあ校門まで!そこまで一緒に行こうよ」


真陽くんの言葉に私は頷いた。二人で一緒に校舎を出て、校門へと向かう。


「おとちゃん!荷物持つよ」

「え?い、いいよ!大丈夫」

「えー、なんで」


そんなことを言いながら楽しく校門へと歩いていると突然名前を呼ばれた。


「桜十葉?ねぇ、桜十葉だよね!?え、嘘、なんで?」


真陽くんと校門までの道を歩いていると、突然後ろから私を呼ぶ高い声が聞こえてきた。何だろうと思って、思わず振り向く。

でもそこには、……私の全く知らない女の子が立っていた。

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