総長様は可愛い姫を死ぬほど甘く溺愛したい。
私は一応家のインターホンを押して、ドアが開くのを待つ。
何秒かすると中からお父さんが出てきて、裕翔くんを招き入れてくれた。
「いやぁ、来てくれてありがとう。裕翔くん、立派になったなぁ」
お父さんがそう感心したように裕翔くんを褒める。
「はい。ありがとうございます」
え、待って……。
裕翔くんとお父さんって知り合いだったの!?
二人が仲良くリビングの方へ歩いていくから私は置いてけぼり状態だった。
私はお母さんの代わりにお茶を出して、裕翔くんの隣に座った。
「あ、そう言えばなぁ。僕と楓、妊娠記念ということで近々海外旅行に行こうと思ってるんだ。もちろん楓の体が大丈夫な時にね」
「楓さん、妊娠したんですか!それはおめでとうございます」
むむむ……。
裕翔くんはお母さんとまで知り合いなのか……??
「ありがとう。ところでなんだけどその旅行期間中裕翔くんの家で桜十葉を預けることは出来ないかな?そうした方が僕達も安心なんだよ」
「ええ、それはもう望んでいたことですから。なんならずっと一緒に住んでいたいぐらいですよ」
「おや、それは本当か?」
お父さん!顔、すっごいニヤけてる!!
多分今のお父さんの脳内にはお母さんとの2人きりのラブラブ生活が広がっているんだと思う。
「はい。冗談ではありません」