総長様は可愛い姫を死ぬほど甘く溺愛したい。
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いつもより活気づいている校内に思わず頬が緩む。みんな楽しそうだなー。朱鳥ちゃんはいないかなーと思いながら。そんな呑気なことを考えていると突然、
「……わっ‼」
「ひぇっ⁉」
後ろから背中を叩かれて、とってもビックリしてしまう。私を驚かせられて楽しそうな表情を浮かべる朱鳥にもうっ!と少し不貞腐れる。
こうしたら朱鳥ちゃんは謝ってくれるって知っているから。
真陽くんはあの日のことがあって以来、私への接し方が変わってしまった。
前みたいにフレンドリーに話しかけてくれなくなって、私と目が合うとすぐに逸らしてどこかへ行ってしまう。
それが、少し寂しいなと思った。
そしてあの子のことも、まだ……。
全く知らない人なのに、心にずっと残り続けているわだかまり。その正体が知りたくて、知りたくて……。
でもあの子はあの日以来、学校に来ていないみたいだった。
多分同じ学年だろうから、めちゃくちゃ多いクラスを1つ1つ見に回ったのだ。
でも、その明梨ちゃんがいるというクラスを見つけられても、そのクラスの子に明梨ちゃんはもうずっと学校来ていないと教えられた。
お家が忙しい、とかだったらいいな……。
もし私のせいで休んでしまっているのなら、私の言動が明梨ちゃんを深く傷つけたという風になってしまう。
それなら、もう一度ちゃんと、話してみたい。