総長様は可愛い姫を死ぬほど甘く溺愛したい。


そう。裕翔くんは誰よりも強くて、優しい人。

ヤクザと聞いたら、何だかすごく怖いイメージがあるけれど、そんな事で裕翔くんを怖がる理由なんてどこにもない。


「っ、……おとはっ」

「裕翔くんがどんな人でも、私は恐がったりなんて、するわけない」


裕翔くんの瞳から、一粒の涙が流れる。

私はその涙を優しく拭った。


「大丈夫。ずっと、そばにいるから」


私はそう言って、裕翔くんのことをもっと強く抱きしめる。


「裕翔くん、……。私もね、言いたいことがあるの。私、裕翔くんの事が……大好きだよ」


気付かないふりをして、ずっと心の奥に隠してきた気持ち。こんなにも人を愛おしいと思ったのはあなたが、初めてなんだ。

だから、何度でも伝える。

あなたを愛している、と。

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