身代わり少女は主人を慕う
なんだか、亮成さんに言いくるめられている気がする。

「後は、ありませんか?」

「あの……お嬢様は、なぜいなくなったのですか?」

亮成さんは、寂しげに笑った。

「それは、私にも分かりかねる事でして……」

「あっ……」

そうか。

亮成さんだって、困ってるんだよね。

仕えている家のお嬢様が、急にいなくなって。

「……すみません。」

「いいえ。お力になれたかは分かりませんが、では、私はこれで。」

そう言って亮成さんは、この部屋を出て行った。


部屋に一人残された私は、さっきの亮成さんの言葉を、永遠と頭の中で繰り返していた。

亮成さんはあんな事言ったけれど、家族まで誤魔化せる訳がない。

でも、断ったらまた、人買いに戻される。

二つを同時に、避けるには……
< 30 / 147 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop