身代わり少女は主人を慕う
「妹は、結婚が決まった途端、家から出て行ってしまった。たぶん、今回の結婚が、嫌だったんだろう。」

「だから、私に婚家にもバレないようにと?」

「ああ、そうなんだ。」

結婚が嫌で、家を出て行ってしまったお嬢様。

私も、人買いに行くのが嫌だったから、その気持ちは分かる。


「家の者は周辺を探した。僕も勿論探したよ。君に出会ったのも、妹を探して森の中を歩いていたからなんだ。」

「あの時も……」

将吾様と初めて会った時の事を、思い出す。

将吾様は、思いつめた顔で、火を見つめていた。

きっとお嬢様の事を、考えていたのかな。


「だが僕は、妹が自ら出てくるまで、待ちたいと思うんだ。」

「えっ?どうして?」

その時の将吾様は、柔らかくて寂しげな顔をしていた。
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