身代わり少女は主人を慕う
「その通りです。」

「お母様!」

私も、思わず”奥様”って、言いそうになった。

私の置かれている理由も、奥様知っているはずなのに。


「男女七歳にして、席を同じうせず。いくら兄妹でも、同じ部屋で食事を摂ってはいけません。」

将吾様は、両手をぎゅっと握った。

「……音羽は、家に戻って来てまだ、時間が経っていません。兄として、今しばらく見守る事はできないのですか?」

「まあ、それは仕方のない事でしょうけど……」

そう。

奥様が、話を折れようとした時だ。

美晴さんが、急に立ち上がった。


「お母様。仕方なくありません!」

「美晴姉さん?」

その瞬間、美晴さんに睨まれた気がした。

「お二人共、夕食を共にした後も、音羽さんの部屋に、将吾さんが入り浸っているのですよ。」
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