星降る夜の奇跡をあなたと

ルーティン

次の流星群は4月の“こと座流星群”だ。
流石に、このまま学校の勉強を
一切やらない事に不安を覚えた。
それを蓮に相談したところ、
学校の図書室だったら授業の教科書も
置いてあるし、勝手も分かるから
いいんじゃないかと言ってくれた。
なるほどと思い、冬休み明けから、
学校の図書館通いを始める事にした。
まだ入学していない状態だから、
相手が私の事を知っている人は
全く居ないが、万が一、
未来で関わっていた人に会ったら、私が
必要以上に反応してしまいそうだから
学食とかは利用しない様に
午後から行くようにした。
本当だったら今の時期は
実習へ行き、レポートを仕上げることが
メインだが、実習は無理なので、
通年科目と4年次の科目、実習で
行いそうな処置の復習をすること
にした。久しぶりの勉強は新鮮で
楽しく、たまに時間が合うと
蓮も様子を見に来てくれた。
午前中は家事やデータ入力をして、
午後から学校。予想外に充実した
日々を過ごした。ただ、学校の
図書館に通い始めて、気付いた事が
1つ。服が足りない…。
これまでは殆ど家に居て、たまに
食品や消耗品の買い物に行く程度で
あまり気にならなかったが、
流石に最初に買った物だけで
回すのは限界だった。
元の世界では、仕送りだけで
遣り繰りしていたから、ここは私の
力の見せ所だ。かと言って食費以上に
洋服代に使う気もない。今の私にとって、
ファストファッションと呼ばれる物でも
高価なのだ。そこでリサイクルショップを
利用する事にした。ここは一言で
言うならば“凄い”。思っていたよりも
状態が良く、値段も探せばワンコイン
以下の物もあった。トレンドから
外れた物なのかもしれないが、
今の私には充分だ。
大収穫だった。
< 15 / 37 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop