夢を叶えた日、一番にきみを想う
「名城尚樹くん。高校1年生。来月の4月から高校2年生だよね?」
「……そうです」

“教えて”とは言われたけれど。
本当に俺のことを知るために、この時間を使うのだろうか? 授業時間を削ってまでやることか? そもそも何の為に?

不審に思う気持ちを堪えながら、一応答える。

「学校、楽しい?」
「まあ、それなりに」
「良いね。部活は? 何かしているの?」
「……いえ」
「帰宅部なんだ。趣味は?」
「……寝ること」
「じゃあ、何をしている時が一番楽しい?」
「……特に何も」

素直に答える。傍からみたら、ただの質問に答える気の無い奴に見えるだろうな。

先生は一瞬だけ黙ってから「じゃあ」と続けた。

「将来の夢は?」

将来の夢、か。

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