眠りにつくまで






毎日の電話は欠かすことなく、でもメッセージというのは少ない。

‘明日やっと金曜日だ’
「昨日会ったけどね、ふふっ」
‘お土産を渡しただけだから会ったうちに入らない’
「寝かしつけまでしてくれたけど?」
‘そうしたかったから’
「ありがとう。あのね、5時間近く眠れたの」
‘ほんと?’
「うん、今までぴったり4時間だったけど40分ほどプラスだと思う」
‘睡眠のいい周期が出来てきたか?俺がいたらもっと眠れると思うよ’
「…そうかな」
‘この前そうだっただろ?光里は学校という集団の中に通うんだから冬の風邪シーズンには質のいい睡眠は必須’
「ああ…私、予防接種受けてもよくインフルエンザにかかるの…この3年かな…今年も受けたけど2月と3月は要注意なの」
‘そうか。この冬は一緒にたくさん食べてたくさん寝ような’
「ありがとう、聖さん」

彼は忙しくても夜には全くそれを感じさせずに、ゆっくりと話をしてくれる。そして私も金曜日を楽しみにしていた。
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