眠りにつくまで







「聖さん、何が食べたい?」
「うん?光里の食べたいものにしよう。俺が作る?」

スーパーで話ながらもとりあえず冷蔵庫にいつもあるものを手にする。

「聖さんの食べたいものを作りたいな…聖斗の世話はもちろんするけど、聖さんも大切にしたいもの」

嬉しいことを言う光里の腰を抱き寄せ頭にチュッと唇を落とすと

「ちょっ…と、ここ…スーパーっ…」
「可愛い光里のせいだよ?」
「なっ…」
「揚げ出し豆腐が食べたい」
「わかった…わかったから…ここ来られなくなっちゃう…」

身を捩る光里を解放してやる。頬を染めたままの光里が慣れた様子で手早く買い物を済ませると俺たちは聖斗の待つ部屋へ帰る。

大荷物で部屋の前に立ち

「デート帰りと思えない荷物だね」

そう笑いながら俺を見上げる光里に

「家にいてもデートと言えばデート」

と返して唇を重ねる。

「ん、デート終了。今から俺の光里を聖斗に貸してやる。で、夜は俺のところへ戻っておいで…一緒にとろっとろになるよ」
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