眠りにつくまで





「おっはよーおっ、会えた会えた、おはよう、光里」
「お兄ちゃん、おはよう」
「聖斗、抱っこさせて」
「はーい、忍おじちゃんのとこ…」
「おじちゃん…忍ちゃんって呼ばせようかな…」

お兄ちゃんは私の言葉を遮り‘おじちゃん’に少し思案顔になりながらも聖斗を抱っこする。その間にお兄ちゃんへのプレゼントをバッグから取り出した。

「お兄ちゃん、はい」
「何くれるの?」
「忍と聖斗のお揃いだぞ」

聖さんの言葉に玲央さんがおかしそうに笑う。

「生後4ヶ月の子と同レベル?」
「乃愛さんのお店で見つけたの。玲央さんも欲しくなるかもしれませんよ?」
「そうなのか?」
「はい。今から雪乃ちゃんともお揃いになります」
「おい、榊原っ。勝手に開けるなよ」
「忍さん、抱っこで手が離せないでしょ?手伝ってあげてるんですよ」

玲央さんがラッピングを遠慮なく開けると3体の小さな恐竜が現れた。

「いいじゃん、乃愛んとこオモチャもあるの?」
「本来エッグスタンドなんですって。でもお兄ちゃん、デスクに飾りそうだと思ったの」
「俺が飾りたい。昔恐竜にハマってたんだよ。これティラノだろ?これはブラキオサウルス、これは多分アパトサウルス」
「すごい、玲央さん」
「アパトサウルスなんてジュラシックパークに出てるし、みんな知ってるんじゃない?」
「「「知らない」」」

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