眠りにつくまで
「光里?起きた?」
そう言いながら時間を確認する。エンジンを切って15分ほどか…それと同時に光里の電話番号を聞き出すまでもなく知れたな、とも思った。
‘すみません…また寝てしまって’
その声を聞きながら出口へ向かい
「光里、いいから。すぐ行く。そのままな」
と伝え、レジの店員に声を掛けた。
「すみません。このかごここへ置かせてもらってもいいですか?駐車場からすぐに戻りますので」
「はい。こちらでお預かりします」
買い物途中のかごを預けて車へ戻ると助手席ドアを開ける。
「おはよう、光里。車を止めてからはすぐだったね」
「ごめんなさい」
「うん?必要な睡眠をとっただけのことだろ?俺、少し買い物してるから一緒においで。コートは着るよ」
コートを彼女から受け取り、袖を通しながら
「光里もコートいるよ」
とまだ少しぼんやりした光里に言った。