眠りにつくまで






乃愛さんにお支払いしながら

「あのアパート無くなるんです」

と答えると、後ろから腕が伸びてきて

「これも一緒に入れて。これは俺が出す」

聖さんが私の迷っていたマルシェ袋を2種類乃愛さんに渡す。

「えっ…」
「迷ってただろ?それに光里なら使うものだしな」
「ありがとうございます。帰りにマーマレードとクリームチーズを買おうと思っているくらい、使う気です」
「じゃあ、今日の帰りにJOYへ行こう。でもその前に、ガトーショコラを食べながら引っ越しのこと聞かせてくれる?」
「出なきゃいけないってだけで…まだ何も話することがない…」
「光里さん、その状態で三鷹くんを頼ればいいと思うわよ?出来る男だし、頼れる男でしょ?まあ、玲央には負けるかも?ふふっ」

ありがとうと私に商品を渡した乃愛さんは

「一緒にクリスマスパーティーをしない?玲央と4人で」

と私に笑顔を向ける。

「する。玲央の部屋か俺の部屋か、相談しておく」
「よろしく」
「イブは玲央も俺も壱の結婚式に出るから25日な」
「OK、光里さん、その時にゆっくり話しましょうね」

私が一言も発しないうちにクリスマスパーティーが決定した。
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