Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜
その日から夜は奈都の勉強をみっちりと見てあげて、学校に行かない代わりに昼間は家の掃除や洗濯をやるようになった。

たまに奈都に料理を教えてもらったり、すぐに濡れた髪の毛で寝ようとするカオルの髪を乾かしてあげたりした。

楽しい時間を過ごせば過ごすほど、自分が辛い現実から逃げようとしているのが見てとれた。

このままでいけないのは分かっている。

これ以上学校を休むわけにはいかないし、菜穂もきっと心配しているはずだ。

せめて連絡はしないと。

でもそのためには一度家に戻らなければいけない。

頭では理解しているのに、その勇気が出ない。


「綺月ちゃん?」

「…ごめん、ぼーっとしてた、どっか分からないとこあった?」


奈都が心配そうに私の顔を覗きこむ。


「綺月ちゃん、私はずーっと居てくれてもいいんだよ、むしろずっと居て欲しいって思ってる」

「どうしたの?急に」


奈都はペンを置くと、私に体を向き直す。
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