Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜

「また今日来るって言ってたよ」

「えー暇なの？」

「綺月のことが心配なのよ」


お姉ちゃんは焼いた目玉焼きを皿に雑に盛り付ける。

私もお姉ちゃんと同様レタスを雑にちぎるとボウルに入れる。


「お前ら似てるなぁ」

「うわっ、びっくりした…なに？起きてたの？」


私たちの間から顔を出して、男が話に割って入る。

私はほぼ初対面なので戸惑っていると、お姉ちゃんが気付いて男を紹介する。


「真城 聡(ましろ そう)って言うの、一応Againの現総長」

「一応ってなんだよ」


聡さんはくっきりとした目が長い前髪で隠れて、せっかく綺麗な目なのに勿体無いと思ってしまった。

カオルもそうだけどイケメンはかっこいい顔に甘えて、髪がおざなりになってるなぁと思った。

聡さんは大きい欠伸をし片耳にしか付けられていない青いピアスを癖のように触りながら、冷蔵庫から水を取り出す。


「もしかして、彼氏？」

「あー、まぁそんな感じかな」


お姉ちゃんは照れているのか、顔を背けながら曖昧な返事をする。