キミの愛情120%
★5

┗恋愛上手のふりしてるだけ



汐見先輩の私見では、あの意味不明キス以来、クズの様子がおかしいらしい。



けど、まあ、リナはそんなん知らんし。


博愛主義の先輩のことだから、自分の一時の気の迷いでリナを傷つけたことが罪悪感になっているのかもしれない。

彼が反省しているのは、この前のやりとりでも感じた。なぜかリナより傷ついた顔してたのは今思い出しても腹が立つけど。


でももうそんなんどうでもいいんだよ。


『俺のこと本気で好きじゃないくせに』とか意味わからん文句言われて意味わからんキスされて。

疲れた。これ以上あの思わせぶり野郎に振り回されたくない。

だからリナは無視を決め込もう、と思ってたのに。



「……里菜ちゃん? 聞こえてる?」



気づいたら目の前にリナの頭を悩ませる切れ長の瞳と羨ましいほど綺麗な肌があって、目を見開いた。



「っ、ウワー--!!」


思わず大通りの真ん中で叫んだ。少し先を歩いていたマルとチョコちゃん、汐見先輩、ついでに通行人の皆さんが驚いた顔をして振り返った。


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