リフレインが聴こえない
「でも、たとえ点が悪いからって、この中学では、とくに補習もないんだけれど」
「それでも、あまりにもひどかったら、親に塾へ放りこまれちゃう……」

 そうつぶやいていたら、教室の入り口に近い席にいた男子が、わたしのほうへ振り向いて声をかけてきた。

「おい、弓倉! 三年から呼ばれてるぞ」
「え? あ、ありがとう……。三年?」

 パッと顔をあげて、わたしは立ちあがる。
 そして、教室の入り口に顔を向けたわたしは、とたんに固まった。

 そこには、縦ロール一花を先頭に、ファンクラブの三姉妹が立っていたからだ。
 うう、いやな予感……。
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