貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~
 ナディアの知る未来と、今進んでいる新しい未来が変わってきている。

(やっぱりあの夜会が原因よね。だって私が前世と違う行動をしたのはあの時だけだもの。前はゲルハルト様なんて私の人生にかかわってこなかった。遠い異国の王としてしか認識していなかったくらい)

 ああ、とナディアはまた溜息を吐く。

「なにもかもうまくいかないままだったら、最後は幸せになれないと思う?」

「そんなまさか。お嬢様はとっても素敵な王妃として、一生この国の歴史に残るんです」

 子供をあやすような言い方は、幼い頃からナディアを見守ってきた癖だろう。

「……そうね。素敵な王妃として歴史に残ったらいいわね」

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