政略夫婦は念願の初夜に愛を確かめる〜極上御曹司の秘めた独占欲〜
ふたりの想いが繋がる夜



【今晩は外で食事をしよう。十八時に迎えを頼んでおく】


 拓人さんからそんなメッセージが送られてきたのはお昼過ぎのこと。

 今朝は何も言っていなかったのに、急な予定にどうしたのだろうかと鼓動が高鳴る。

 拓人さんが沖縄への出張から戻った日。

 荷物を運んでくれたおとなりの三栗谷さんを部屋へ上げてしまったところに拓人さんが帰宅をし、それからどことなく微妙な空気が私たちの間に流れている。

 拓人さんの機嫌が悪いだとか、怒っているだとかそういうことではない。

 でも、口では表せない何か重い空気がふたりの間に漂っている感じがしている。

 その払いのけたい空気をどうしたらいいのかわからないまま、早二週間近く。

 このタイミングでの拓人さんからの誘いは驚きと共にすごく嬉しかった。

 場所も知らされていないことに、装いに一瞬悩んだけれど、どこで食事をしても対応できるようにきちんとした格好を選んだ。

 Iラインのミモレ丈ワンピースは、レースデザインのラベンダーカラー。派手すぎず地味すぎず、落ち着いた大人の女性らしいコーディネートにした。

 髪は毛先だけ緩く巻き、少し華やかに見えるようにアイシャドウはラメ入りを使った。

 普段より特別なオシャレをすると気持ちがわくわくと弾む。

 拓人さんが少しでも綺麗だと思ってくれるようにと思いながら自分を着飾るのはやっぱり楽しい。

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