政略夫婦は念願の初夜に愛を確かめる〜極上御曹司の秘めた独占欲〜


「この先に、今日は進んでも?」


 あの夜と同じように、自分にちゃんとできるのだろうかという不安は拭いきれない。

 でも、あのときあった〝できない〟という思いは今は一切ない。今はむしろ、早く拓人さんとひとつになりたい気持ちしかない。


「今度こそ、拓人さんに……私を、もらってほしい」


 想いを口にし、彼の首に両手を回す。

 私の返事を合図に、拓人さんは私に丁寧な口づけを落とす。そして……。


「今日は、止められないと思う」


 その言葉と一緒に拓人さんが私の中に押し入ってくる。

 狭い入り口を広げられる感覚と強い圧迫感。初めてのことに強烈な緊張が襲ってくる。


「息を止めないで。ゆっくり呼吸をして」


 体に力が入ってしまったことがわかったのだろう。言われた通り落ち着いて息を吐きだす。


「痛いか?」

「いえ。痛みは、そこまでは……」


 首に回していた手を、今度は拓人さんの背中に回し直す。熱い体をぎゅっと抱きしめたとき、ふたりの体がぴったりと密着した。

 耳元で拓人さんがゆっくりと長く息を吐きだすのが聞こえる。

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