政略夫婦は念願の初夜に愛を確かめる〜極上御曹司の秘めた独占欲〜


 結局、朝食は時間がなく野菜とフルーツで作ったスムージーになってしまった。

 朝からたっぷり愛してもらって私は身も心も満たされたけれど、拓人さんはあとでお腹が空いてしまわないか少し心配だ。


「男の人にはスムージーじゃ物足りないですよね……」

「いや、こういうライトな朝食も好きだよ。健康的で」


 食後のコーヒーを淹れ、今朝もタブレットで新聞記事を読む拓人さんの前にカップを出す。


「ありがとう。茉莉花、今日の予定で先に伝えておこうと思っていることがある」

「予定、ですか?」

「実は、今度プリリュと業務提携をするという話が進みそうなんだ」

「プリリュって、早苗さんの脱毛サロン?」

「ああ。だから茉莉花には先に伝えておこうと思って」


 早苗さんとのことを気にした私が心配しないように、仕事のことでも関りをもつなら知らせておこうと思ってくれたのだろう。

 拓人さんお気遣いが嬉しく、心穏やかに話が聞ける。

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