クールなあおくんに近づきたい!〜あと10センチ、きみに届け〜
「はぁ…天使…」


いつのまにか俺の机に肘をついていた隣のクラスの田沼が、ぽーっと呆けた顔で言った。

「今日も寧々ちゃん、可愛いなぁ…」

「…なんか用?田沼君。」

「世界史貸して♡」

「うい。これ持ってとっととお帰り。」

「冷てーなチカ。同じバイト先の仲じゃん」

「どうせ今日も寧々ちゃんかわいいって言いにきたんだろ」

「そうだよ。そういうお前はいつになったら寧々ちゃんと仲良くなるの?お前が仲良くなってくれたら俺もお近づきになれるのに。」

「…」


田沼は入学式の日からずっと、毎日のように俺を口実に寧々の顔を覗きにくる。

こうして鼻の下をダランと伸ばして遠巻きに寧々を見つめるのが、田沼のお決まりスタイルだ。


…この顔はっ倒してぇ〜。
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